呼吸器疾患では病気が進行して呼吸不全になると自宅で酸素を吸入する在宅酸素療法 (HOT) が必要になってきます。HOTをしている患者さんの病気はさまざまで喫煙と関係のない疾患の方もおられますが、最も多いのは長年の喫煙が原因である肺気腫 (COPD) の患者さんです。誰でも100mを全力で走ると息切れを感じますが、HOTの患者さんは少し動くだけでも同じような息切れを感じます。体に酸素が不足して息切れを訴えられる患者さんの姿は本当に苦しそうで、タバコを長年吸っていたらこうなると知っておられたらきっと早い時期にタバコをやめられたのではないかと悔やまれます。
私も医者になりたての頃はまだタバコをすっていましたが、呼吸不全の患者さんの姿を毎日見るようになってからはとても吸う気になれなくなれました。タバコの害を知ってもらって少しでも早く禁煙していただくこと、これも医師の大きな務めであると思っています。
(H20.11.17)